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キック話 其の二 

あの日も、後楽園ホールで先輩の試合がありました。
例によって若手の私は、手伝いのために駆り出されていました。

控え室で試合の準備を整えた選手は、必ずウォーミングアップをします。
そのときは私がキックミットをつけて、先輩のキックを受けていました。するとそこに、ライト級チャンピオンの越川豊選手が訪ねてきたのです。

越川選手は試合がなかったのでジーパン姿でした。
同じジムの選手を応援するためにホールに来て、知り合いに挨拶をしてまわっていたのです。
談笑する先輩とチャンピオンの前で、私は緊張のあまり固まっていました。
なにしろ越川選手といえば、飛鳥信也選手らと死闘を繰りひろげている現役チャンピオン。自分のような下っ端が言葉を交わせるような選手ではありません。

しばらく談笑していた先輩が、突然「豊さん、ちょっと蹴ってみたら」とチャンピオンに向かって言いました。
そして私のキックミットを指差したのです。


きっと先輩は、後輩である私にチャンピオンの蹴りを体験させてあげようと思ったのでしょう。
近くにいたコーチも、「軽く蹴ってやってよ」と越川選手をうながしました。そして私には「スゴイから、しっかり受けろよ」と耳打ちするのです。

越川選手は照れ笑いを浮かべながら、準備体操もなしにジーパン姿のまま構えました。
きっと私の顔は、極度の緊張にこわばっていたと思います。
越川選手が蹴りのモーションに入った途端、キックミットにこれまで体験したことのない強烈な衝撃を受けました。
スピードもパワーもケタ違い。
先輩もフェザー級のランカーでしたが、チャンピオンの蹴りはまったく別物でした。
キックミットは持ち慣れているはずなのに、スピードが速すぎて目で追うのがやっとなのです。

たった3発くらいだったと思います。もちろん越川選手は本気で蹴ったわけではありません。
それでもチャンピオンの片鱗をうかがうことができた、じつに貴重な体験でした。
[ 2006/08/12 17:17 ] 格闘技 | TB(0) | CM(0)

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