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キャラと名前 

登場人物の名前はイメージに添ったものをつけます。
小説を書くということは、キャラクターに命を吹きこむことでもある。
書いていく過程で、ヒロインの名前とキャラクターは完全に同化していきます。
当然、キャラクターに対する思い入れも強くなっていく。つまりそれは、ヒロインの名前に対する思い入れでもあるのです。

しかし本を出版するにあたって、どうしてもその名前を変えなくてはならない場合も出てきます。

まず、デビュー作「転校生・麗子」がそうでした。
同じ創刊ラインナップのなかで名前がカブってしまったことがわかり、別の名前を考えなくてはなりませんでした。
このことで苦い思い出があります。
ゲラのチェックが終わっていたこともあって、担当さんのほうで名前を入れ替える作業をしてくれることになりました。
自分で直したいとも思いましたが、まだデビューもしていない分際でわがままを言うのも気が引けて、つい担当さんの言葉に甘えてしまいました。
しかし、そこは無理を言っても自分でやるべきだったと反省しています。
一発変換で名前の変更はできます。しかし会話のなかなどで名前をひらがなに開いてしまっている箇所は、そのまま変換されずに残ってしまいます。
実際に「転校生・麗子」の会話文で、数カ所その誤りがありました。
これは最後まで原稿に責任を持たなかった私のミスです。
このときの経験は、今も教訓になっています。

あおい 妹と生徒会長」の場合は、タイトル付けのために名前を変えることになりました。

Wishテニス部の果実」では、執筆中に発売された美少女文庫のなかで同姓同名のヒロインが登場していることに気づきました。そこで急遽名前を変えることになったのです。

フランス書院文庫アンソロジー「僕の隣人「黒い下着と美臀」」に収録されている短編は、名前に使っていた漢字が数人の先生と重なっているということで変更することになりました。

名前を変えるのは正直辛い。
しかしプロとしてやっていく以上はこういうこともあります。

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[ 2006/08/29 16:38 ] 著作 | TB(0) | CM(0)